陸上競技長距離種目における自己ベスト更新においてペース走は非常に効果的なトレーニングです。
実際に学生ランナーから実業団ランナーまでも取り入れているトレーニング方法であり、長距離種目に必要とされる心肺機能を効果的に鍛えられます。
1500m3分台を目指す30代市民ランナーのトレーニング内容と併せて、トラックレースで結果を出すためのトレーニング方法について解説します。
・ペース走とは?
・自己ベストが出ない
・記録が伸び悩んでいる
・ペース走のトレーニング効果
・自己ベストを狙うためのトレーニング
・いつもと違うトレーニング方法
20年以上の競技歴で培った知識を基に解説します。
ペース走はどんなトレーニング?
中距離種目においてもペース走は必須
ペース走とは、レースペースよりもやや遅いペースで10km〜15kmを走るトレーニングで、専門種目や走力によって設定タイムや距離は変わってきます。
レースペースよりも遅い分、実際のレースよりも長い距離を走ることになります。一般的には長距離ランナー向けのトレーニングですが、中距離ランナーにも必要なトレーニングです。
後半失速しない身体つくり
中距離種目はレース序盤からハイスピードで入り、そのスピードをゴールまで維持しなくてはなりません。オーバーペース気味で入ることから、体力がないランナーは後半大きく失速してしまいます。
しかし、日々のトレーニングでペース走を取り入れておくことで基礎体力が向上し、後半になっても失速しない身体造りが可能です。
中距離種目は後半の伸びが記録を大きく左右するため、ペース走を取り入れた練習メニューの組み立てが必要です。
距離に対する不安がなくなる
ペース走では10km〜15km走ることから、レース時の距離に対する不安はなくなります。普段から10km以上走っていれば、レースの1500mや3000m、5000mが怖くなくなるのです。
陸上競技はメンタルによっても結果が大きく左右するスポーツであるため、不安感なくレースに臨むことで力を発揮できるようになります。
中距離ランナーもスタミナ強化が必要なんだね!
自己ベスト更新に向けた設定タイムと距離の目安
専門種目や目標タイムによってペース走の設定タイムや距離は変化します。ご自身の目標に合わせてペース走の設定タイムを決めましょう。
ペース走をコンスタントにこなすことで、自身の走力を把握でき、目標の修正も可能になります。
1500m
1500mで記録を狙う場合、レース距離が短いことからペース走の距離も10km〜12kmで対応できます。
目標タイム | 〜6’00” | 〜5’30” | 〜5’00” | 〜4’30” | 〜4’00” |
設定タイム | 〜5’00” | 〜4’30” | 〜4’00” | 〜3’40” | 〜3’20” |
3000m
3000mは1500mよりも長距離的な動きが必要になるため、安定した心拍数でペース走を走り切る必要があります。
12km〜14kmはペース走で走っておかなくてはなりません。
目標タイム | 〜12’00” | 〜11’00” | 〜10’00” | 〜9’30” | 〜9’00” |
設定タイム | 〜5’00” | 〜4’30” | 〜4’00” | 〜3’45” | 〜3’30” |
5000m
5000mはトラック種目では長距離種目に分類されます。そのため、ペース走では14km〜16kmは走れるようにしておかなくてはなりません。
また、ロードレース10kmやハーフマラソンで結果を出すためには5000mの記録向上が必須です。トラックの記録を伸ばすことでロードレースのペースに余裕が生まれ、結果につながります。
目標タイム | 〜20’00” | 〜18’20” | 〜17’30” | 〜16’40” | 〜15’00” |
設定タイム | 〜5’00” | 〜4’20” | 〜4’00” | 〜3’40” | 〜3’20” |
ペースランニングだけでは自己ベストは出ない
ペースランニングは自己ベスト更新に必要なトレーニングですが、それだけでは自己ベストを更新することはできません。インターバルやロングジョグ、レペティションなどバランスよく走力を鍛えることが重要です。
必要なトレーニング方法についても詳しく解説しているので参考にしてください。
・インターバルトレーニング
800mに必要なインターバル
1500mに必要なインターバル
3000mに必要なインターバル
5000mに必要なインターバル
・ペース走
800mに必要なペース走
1500mに必要なペース走
3000mに必要なペース走
5000mに必要なペース走
スパイクを見直そう
800m走はトラック種目であることから、厚底シューズの使用は禁止されています。そのため、スパイクを使用することが一般的です。
800mは中距離種目に該当するため、中距離用スパイクを選ぶ必要がありますが、各メーカーがそれぞれ特徴的なシューズを発売しているため、どれを選んでいいのか分からないこともあります。
おすすめのスパイクについても解説しているので参考にしてください。
・800mにおすすめのスパイク
・1500mにおすすめのスパイク
・3000mにおすすめのスパイク
・5000mにおすすめのスパイク
トレーニング後のリカバリーが大切
トレーニングを一生懸命行うことは大切ですが、トレーニング後のリカバリーはそれ以上に大切です。
壊れた身体を如何にすぐに回復できるかが次のトレーニングのできを左右するため、リカバリーは全力で取り組みましょう。
ランナーにおすすめのプロテインについても解説しているので参考にしてください。
・長距離ランナーにおすすめのプロテイン
・中距離ランナーにおすすめのプロテイン
まとめ
長距離ランナーだけでなく、中距離ランナーもトレーニングにペース走を取り入れるべきです。ペース走を設定タイム通りにこなすことで自身のコンデションの確認もできます。
自己ベストを更新してランニングを楽しむためにも日々のトレーニングにひと工夫してみてください。
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