陸上競技は走るだけのスポーツですが、何も考えずに走っていても競技力の向上は見込めません。ただ走るだけの単純なスポーツだからこそ、トレーニング方法も様々であり奥が深いのです。
陸上競技のトレーニング方法のひとつとしてレペティションと呼ばれる方法があります。今回は中長距離の記録向上に向けたレペティショントレーニングの方法について解説します。
・走っているのにタイムが伸びない
・レペティショントレーニングって何?
・自己ベストを更新したい
・自己ベスト更新に必要なトレーニング
・レペティショントレーニングとは?
・目標達成に必要なトレーニング設定
20年以上の競技歴で培った知識を基に解説します。
どんなトレーニングをすればいいんだろう?
レペティショントレーニングとは?
レペティションとは、300m〜3000m程度の距離を全力で3〜5本走るトレーニングです。セット間は5〜10分程度休息をとります。
取り組む種目が伸びるにつれて、レペティションの距離も伸びてきます。距離と距離の目安についてはこの後解説します。
想像しただけでキツそう…
レペティションのトレーニング効果
レペティションはその本数ごとに全力を出し切るトレーニングであるため、相当な負荷が身体にかかります。何度も苦しい思いをしなくてはならないため、できることならやりたくないトレーニングと言えます。
一方で高いトレーニング効果が期待できることも確かです。競技力向上を目指すためにも全力で取り組みましょう。
苦しい分、効果も大きい!
筋持久力が鍛えられる
レペティションでは中距離走を全力で走り切ります。そのため、瞬発的な筋力とともに、そのスピードを維持する筋持久力が必要になります。限界に近い負荷を、本数を重ねるたびに筋肉に与えることで、筋持久力が鍛えられるのです。
筋持久力が高まると、レースなどにおいて疲労してくるポイントを遅らせられるようになります。トラック種目では、ラスト一周までにどれだけ余力を残せるかが勝敗を分けるため、筋持久力は特にトラック種目で重要になる能力と言えます。
乳酸耐性が鍛えられる
全力で何本も走らなくてはならないため、一本毎に乳酸が溜まり、足は動かなくなってきます。レペティションの狙いは、まさしくそこであり、乳酸が溜まった状態でも身体を動かす能力の強化と言えます。
トラック種目であってもマラソンであってもレース後半になると乳酸が溜まり、本来のパフォーマンスができなくなります。そこで、レース後半と同じ、乳酸が溜まった状態を練習で作り出し、トレーニングしておくことで辛い状況でも足を動かすことができるようになるのです。
試合感を持ってトレーニングできる
練習と本番は全くの別物です。練習でできていたことが本番でできないらなんてことは当たり前に起こります。試合は練習とは違った緊張感があり、相手も普段とは異なるため、本来の力が発揮できないのです。
レペティションはその内容から、試合に近いトレーニングと言えます。むしろ、本数が多い分試合よりもキツいことは確かです。日々のトレーニングにおいてレペティションを取り入れておくことで、いざ試合になった時も落ち着いてパフォーマンスを発揮できるでしょう。
試合に近いトレーニングでメンタルも鍛えよう!
レペティションの設定
専門とする種目や出場するレースの距離に応じて、レペティションの距離を設定しましょう。タイムについては全力で走るため、走力に応じて目安を設定してください。
基本的な考え方は合計距離が、その種目の距離に近くなるイメージです。
ex) 1500mに出場する場合…300m×5本=1500m
1500m
1500mを専門にする場合は、レース距離が短いことから、レペティションの合計距離が1500mを少し超えるくらいで設定することをおすすめします。
合計距離を伸ばしておくことで、レース後半の失速の対策になります。
・300m×6本=1800m
・400m×4〜5本=1600〜2000m
・500m×3〜4本=1500〜2000m
3000m
3000mは正式なトラック種目にはありませんが、マスターズや中学生の記録会、駅伝などに出場されるランナーはトレーニングをしておきましょう。
3000mを鍛えておくことで、1500mや5000mに対応できるようになります。
・600m×4〜5本=2400〜3000m
・800m×3〜4本=2400〜3200m
・1000m×3本=3000m
5000m
5000mの強化はハーフマラソンやフルマラソンなど全ての長距離種目の基本になります。
自己ベストを目指して、秋冬のロードシーズンに繋げましょう。
・1000m×5本=5000m
・2000m×2〜3本=4000〜6000m
・3000m×2〜3本=6000〜9000m
レペティションだけでは自己ベストは出ない
レペティションは自己ベスト更新に必要なトレーニングですが、それだけでは自己ベストを更新することはできません。ペース走やロングジョグ、インターバルなどバランスよく走力を鍛えることが重要です。
必要なトレーニング方法についても詳しく解説しているので参考にしてください。
・インターバルトレーニング
800mに必要なインターバル
1500mに必要なインターバル
3000mに必要なインターバル
5000mに必要なインターバル
・ペース走
800mに必要なペース走
1500mに必要なペース走
3000mに必要なペース走
5000mに必要なペース走
スパイクを見直そう
自己ベスト更新にはトレーニングが必須ですが、シューズを見直すことでタイムが伸びることもあります。特に最近のスパイクは高性能に作られているため、スパイク選びが勝敗を左右することも珍しくありいません。
トレーニングを重ねることを基本とし、スパイクにもこだわりを持ってレースに臨みましょう。
おすすめのスパイクについても解説しているので参考にしてください。
・800mにおすすめのスパイク
・1500mにおすすめのスパイク
・3000mにおすすめのスパイク
・5000mにおすすめのスパイク
トレーニング後のリカバリーが大切
レペティショントレーニングは何本も全力で走るため相当な負荷がかかります。負荷が大きい分身体へのダメージも大きいことから、リカバリーを確実に行わなくてはなりません。
リカバリーを行わずに放置しているとダメージが蓄積しコンディションの悪化に繋がります。リカバリーを高めるためにもトレーニング後なるべく早めのプロテイン補給がおすすめです。
ランナーにおすすめのプロテインについても解説しているので参考にしてください。
・長距離ランナーにおすすめのプロテイン
・中距離ランナーにおすすめのプロテイン
まとめ
トラックレースやマラソンで自己ベストを更新するためにはレペティショントレーニングが効果的です。全力で走ることを繰り返すレペティションはハードなトレーニングですが、その分効果も期待できます。
日々のトレーニングにレペティションを取り入れて自己ベスト更新を目指しましょう!
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