1500mは中距離種目であり、トップランナーでは1km2’30”を切るペースで走ります。レースペースはマラソンよりもはるかに早いため、トレーニングにも工夫が必要になります。
そこで今回は1500mで記録を出すために必要なトレーニングについて解説します。1500mで自己ベストを伸ばしたい方や、伸び悩んでいる方は参考にしてください。
・1500mを早く走りたい
・中距離を走るためにはどんなトレーニングが必要?
・自己ベストがなかなか伸びない
・1500mで自己ベストを出すために必要なこと
・タイムを伸ばすために必要なトレーニング
・ロングジョグが必要な理由
20年以上の競技歴で培った知識を基に解説します。
1500mは短距離の練習?長距離の練習?
中距離種目はトレーニングが難しい
800mや1500m、5000mなど中距離種目はトレーニングが非常に難しいと言えます。
短距離であれば基本的にトップスピードを高めるトレーニングを中心に行いますし、長距離であればスタミナや心肺機能を鍛えるトレーニングがメインとなります。
中距離の場合は短距離と長距離どちらの要素も持ち合わせていることから、短距離と長距離どちらのトレーニングも必要になるのです。
短距離と長距離どっちも鍛えるのか!
スピードトレーニングからアプローチ
1500mはハイペースでレースが展開することから、スピードトレーニングは必須です。400mを早く走れる選手の方が、遅い選手よりも1500mのレースペースに対する余裕度は大きくなります。
余裕度はラスト1周で大きな差となり、記録にも影響を及ぼします。
つまり、レース本番で余裕を持って走るためにもスピードトレーニングは必要なのです。
スタミナトレーニングからアプローチ
1500mはハイスピードで展開する一方、スタミナも求められる競技です。いくら400mが速かったとしても、2周目、3周目を走ってラストスパートに繋げるためには体力も必要になります。
そのためスピードトレーニングと並行してスタミナトレーニングも行いましょう。
スタミナトレーニングについては、この後詳しく解説していきます。
スピードとスタミナのバランスが大切だね!
有酸素系トレーニングも大切
1500mはハイペースで走らなくてはならないため、そのトレーニングもスピードトレーニングに偏りがちです。たしかに200mや400mを早く走ることは大切ですが、そのスピードを維持するスタミナも非常に重要です。
むしろ、1500mのレースではトップスピードで走ることはないことから、スタミナの方が大切といっても過言ではありません。
そのため、スタミナを強化するトレーニングも積極的に行いましょう。
ロングジョグ
ロングジョグはスタミナを強化するための代表的なトレーニングです。ゆっくりと余裕を持ったペースで60分から90分走り続けることで、レース後半になってもバテないスタミナを培うことができます。
ロングジョグはスタミナ強化やペースを落とすことで気分転換になる一方、心肺機能の余裕さから、つい日々のトレーニングをロングジョグに逃げたくなってしまうため注意が必要です。
あくまで基礎トレーニングであることを認識し、ロングジョグの割合を考える必要がありす。ロングジョグにおすすめの膝に優しいクッション性の高いシューズについても解説しているので参考にしてください。
5分のために90分も走るのか…
ペース走
レースペースよりも遅いペースで7km〜10kmを走るペース走ではスタミナ強化はもちろんのこと、心肺機能も追い込むことが可能です。
設定ペースや距離を記録しておくことで、自身の走力を知ることにも役立ちます。ロングジョグでは自分の疲労度はわかりにくいものの、ペース走は走力のパラメーターになるため、調子の判断材料にもなります。
ペース走の設定距離やタイムの目安についても解説しているので参考にしてください。
変化走
ペース走に1km毎のペース変化を加えることで、有酸素トレーニングとともに実践トレーニングができます。試合のペース変化にも対応するためのトレーニングになるため、単純な走力以外の部分も鍛えることができます。
変化走について詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
一番キツいやつ…
ロングジョグのポイント
ロングジョグはただ単に走ればいいというものではありません。英単語を覚える勉強も、ただ書けばいいというものではないのと同じように、しっかりと目的意識を持って走ることが重要です。
ここでは、ロングジョグを行うときに意識するべきポイントを紹介します。
同じトレーニングをしていても結果に結びつくかどうかは目的意識の違いが大きいと言えます。ここで紹介するのは一部ですが、まずはこれらを意識するところから始めてみましょう。
ペースを上げすぎない
ロングジョグは余裕を持ったペースで長時間走ることが重要です。これはLSD(ロング スロー ディスタンス)と呼ばれ、ゆっくりと長く走ることでスタミナ強化を狙うトレーニングとなります。
そのため、ペースを上げすぎてしまうとトレーニングの趣旨が変わってしまうのです。ついついペースを上げたくなってしまうため、ゆっくりと走り続けることは意外と大変です。
苦しいときにペースを落とさないのも我慢ですが、余裕があるときに上げないのも我慢です。メンタルをコントロールするという意味でもロングジョグは有効なトレーニングとなります。
ペースを上げない我慢
フォームを意識する
トップレベルの選手になればなるほど、ペースが変わったとしてもランニングフォームは変わりません。1km4分で走っているフォームと1km3分で走っているフォームはほとんど同じなのです。
これは、どのようなペースでも同じフォームで走るトレーニングをしているからです。言い換えれば、ペースが変わったからといって身体の使い方は変わらないということです。
一定のフォームでさまざまなペースに対応できるようにするために、ロングジョグのスローペースでもしっかりとフォームを意識して走る必要があります。
・足を着く位置
・反発をもらうタイミング
・腕の振り方
・腰の位置
など、レースペースにできるだけ近いフォームで走る意識を持ちましょう。正しいランニングフォームについても解説しているので参考にしてください。
速くても遅くても同じフォーム
集中して走る
ロングジョグはトレーニング時間が長いため、つい意識が散漫になってしまいます。しかし、フォームやペースなどを常に意識して走らなくてはなりません。
ロングジョグは、ただ走ればいいというものでは無く、明確な目的意識が必要であるため、常に集中して走りましょう。
最初のうちは集中力が持たないかもしれませんが、回数を重ねるにつれて集中力が持続できるようになります。
トレーニング後はプロテインを忘れずに
ロングジョグはランニング時間が長いことから、思っている以上にダメージが蓄積します。そのダメージから回復することで強靭な身体が作られるわけですが、回復を効率良くさせるためにはプロテインによる栄養補給が重要です。
長距離ランナーもトレーニング後はプロテインによる栄養補給が必要です。おすすめのプロテインについて解説しているのでぜひ参考にしてください。
まとめ
1500mは短距離的な側面もあれば長距離的な側面も持ち合わせています。そのため、スピードトレーニングだけでなくスタミナトレーニングも必要です。
スピードトレーニングに偏りがちな1500mですが、レース後半の失速を防ぐためにもスタミナ強化を怠ってはいけません。ロングジョグを取り入れて自己ベスト更新を目指しましょう。
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