1500mを3分台で走ることは、中学生なら全国トップレベル、高校なら地区大会やインターハイに出場できるかどうかのラインです。市民ランナーで1500mを3分台で走るランナーは数少なく、全国トップレベルの水準です。
・4分を切るには何をすればいい?
・目標達成のために必要なトレーニングは?
・3分台を出すために必要なトレーニング
・目標タイムに合わせたトレーニングのタイム設定
20年以上の競技歴で培った知識を基に解説します。
何をすればいいんだろう?
1500m 3分台とは?
全国中学生総体の参加標準タイムは4分08秒50であることから、3分台で走れる中学生ランナーは全国トップレベルです。インターハイ出場選手の多くは3分台ランナーであることから、高校では全国クラスへの登竜門になります。
1500m3分台のペースは1kmあたり2分40秒ペースであり、トラック1周400mに換算すると64秒です。
5000mに換算すると13分20秒ペースであることから、1500m3分台ペースは、日本トップランナーの5000mペースということになります。
そんなに速いのか…
ペース走とは?
ペース走は10km前後の距離をあらかじめ設定した一定ペースで走り続けるトレーニングです。主に長距離ランナーが取り入れるトレーニングですが、1500mの記録向上にも効果的です。
800mや1500mなど中距離種目のトレーニングは、インターバルやレペティションなどスピードトレーニングに偏りがちですが、記録向上にはスタミナ強化も必要な要素となります。
スタミナも大切なんだね!
ペース走を行う目的
ペース走は主に長距離ランナーが多く取り組むトレーニングであることから、スタミナを強化する目的があります。スピードが求められる中距離種目ですが、スピードをより活かすためにも、スタミナを強化する必要があります。
心肺機能強化
1500m走は5分前後のレースであるため、10kmを超えるようなトレーニングは避けたくなりますが、長距離のトレーニングでは心肺機能を鍛えられるため、ペース走も必要だと言えます。
心肺機能を強化するためにはある程度の距離を踏む必要があります。また、1500mはスピードも求められる種目であるため、ダラダラと走るよりかは、スピード感を持って走り続けるトレーニングが必要です。
後半の失速を防ぐ
1500mでラストの落ち込みを防ぐためにはスタミナ強化が必須です。スピードトレーニングも必要ですが、それだけではラスト1周で切り替えることはできません。
中距離種目は、ほとんどの場合ラスト1周の勝負になるため、ラストのキレが勝敗を左右します。少しでも余力を残しておくためにもペース走によるスタミナ強化が必要なのです。
目標に合わせたタイム設定
1500m走で記録を伸ばすためのペース走は主に2種類に分かれます。ペースが速く距離が短いものと、ペースが遅く距離が長いものです。どちらの方が大切ということはなく、バランスよくトレーニングに組み込むことが大切です。
最初から目標タイムに対する設定は困難かもしれないので、負荷の小さい設定からはじめて、徐々に設定を高めていきましょう。
6km〜8kmのペース走
目標タイム | 6’00” | 5’30” | 5’00” | 4’40” | 4’30” | 4’20” | 4’10” | 4’00” |
設定タイム(/km) | 4’45” | 4’30” | 4’15” | 3’55” | 3’45” | 3’35” | 3’25” | 3’15” |
短い距離のペース走は、その分スピード設定が速めです。その日の調子によっては前半時点で息があがっていることもあります。理想は終わった後に「あと数キロ走れそう」という感覚です。リズム感を大切にし、最後までフォームを崩さないように気をつけましょう。
10km〜12kmのペース走
目標タイム | 6’00” | 5’30” | 5’00” | 4’40” | 4’30” | 4’20” | 4’10” | 4’00” |
設定タイム(/km) | 4’50” | 4’35” | 4’20” | 4’00” | 3’50” | 3’40” | 3’30” | 3’20” |
長い距離のペース走は、その分スピード設定は遅めです。前半は楽に感じたとしても、後半になって急に足が重くなることもあります。大切なことは同じリズムで走り続けることであり、苦しくなってもリズムを乱さないように注意しましょう。
ペース走はリズム感を掴むためのトレーニングでもあります。ラストまで余力を残しておくためには、リズムよくレースを進めることが必要であるため、普段のトレーニングからリズムを掴む練習をしておきましょう。
ペース走だけでは自己ベストは出ない
ペース走は自己ベスト更新に必要なトレーニングですが、それだけでは自己ベストを更新することはできません。インターバルやロングジョグ、レペティションなどバランスよく走力を鍛えることが重要です。
必要なトレーニング方法についても詳しく解説しているので参考にしてください。
・インターバルトレーニング
800mに必要なインターバル
1500mに必要なインターバル
3000mに必要なインターバル
5000mに必要なインターバル
・ペース走
800mに必要なペース走
1500mに必要なペース走
3000mに必要なペース走
5000mに必要なペース走
スパイクを見直そう
1500m走はトラック種目であるため、基本的にはスパイクを使用してレースに臨みます。中距離用のスパイクには短距離型のものと、長距離型のものに分かれます。
筋力に自信がありスピードで勝負したいランナーは短距離型のスパイクを、体力に自信がありスタミナで勝負ランナーは長距離型のスパイクを選びましょう。
おすすめのスパイクについても解説しているので参考にしてください。
・800mにおすすめのスパイク
・1500mにおすすめのスパイク
・3000mにおすすめのスパイク
・5000mにおすすめのスパイク
トレーニング後のリカバリーが大切
トレーニングは筋肉の破壊行為であるため、単に壊しただけでは走力は向上しません。トレーニングによって破壊された筋肉をリカバリーさせることにより、より強い筋肉へと生まれ変わります。
つまり、如何に効率よくリカバリーさせるかがトレーニング効果を左右するのです。効率のよいリカバリーにはトレーニング後なるべく早めのプロテイン補給が必要です。
ランナーにおすすめのプロテインについても解説しているので参考にしてください。
・長距離ランナーにおすすめのプロテイン
・中距離ランナーにおすすめのプロテイン
まとめ
1500mはスピードが求められる種目ですが、スタミナも必要な種目です。スピードトレーニングに偏ってしまいがちですが、スタミナ強化も忘れずに取り組みましょう。
得意を伸ばすことも大切ですが、苦手を克服することも記録更新に重要な要素です。
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