ハードなトレーニングを続けているとダメージが蓄積し痛みとなって現れることがあります。
ランニングのダメージによる痛みは、ランニング障害と呼ばれ、膝や腰などの関節、ハムストリングやふくらはぎなどの筋肉が代表的です。
そこで今回はランニング障害に着目し、痛みが出ている期間でもできるトレーニングを紹介します。
・走ると足が痛い
・走れないときは何をすればいい?
・故障中でもできるトレーニングを知りたい
・足が痛むときでもできるトレーニング
・おすすめの筋トレ
・走らなくても走力を上げる方法
20年以上の競技歴で培った知識を基に解説します。
過度なトレーニングは怪我の原因
走るだけがトレーニングではない
ランニング障害は基本的に休養を取って痛みが引くまで待つしかありませんが、その間何もトレーニングをしないわけにはいきません。
トレーニングをせずにただ休んでいるだけでは筋力は低下し肺活量も落ちてしまいます。しかし、適切なトレーニングを継続することで筋力や肺活量は向上し、故障する前よりも高いパフォーマンスを発揮できるでしょう。
早く走るためのトレーニングは走るだけではないことを理解し、故障によるモチベーションの低下を防ぎましょう。走れなくてもできるトレーニングはこちらでも解説しているので参考にしてください。
足が痛くてもできるトレーニングをしよう!
故障の具合に合わせてトレーニングを行う
ランニング障害はランニングフォームの癖や偏りが原因であることが多いため、個々によって痛みの箇所や大きさは異なります。
そのため、故障したからこのトレーニングをするといった考えは捨て、痛みの箇所や大きさを自身の身体と相談しながらトレーニングを進めましょう。
トレーニングを継続することは大切ですが、最も大切なことは故障を早く治すことです。そのことを忘れずに故障中のトレーニングに励みましょう。1日でも早く故障を治すためにはセルフケアも重要です。おすすめのセルフケアアイテムについても解説しているので参考にしてください。
筋力トレーニング
故障中に取り組むべきトレーニングの代表が筋力トレーニングです。筋力トレーニングを行うことで、最後まで崩れないフォームで走るための体づくりができます。
また、ランニング動作は筋肉によってスピードが生み出されるため、筋トレをすることでスピードの強化にもつながります。
長距離ランナーにとってもトップスピードを鍛えることはタイム向上に直結するため、目的意識を持った筋トレをしましょう。
長距離ランナーにとっても筋トレは大切!
体幹トレーニング
レースやトレーニングの後半になると苦しくなり上半身がぶれてしまうことがあります。上半身がブレると地面からの反発をうまくもらうことができず、ラップタイムも落ちてしまいます。
そこで大切なトレーニングが体幹トレーニングです。プランクを代表とする体幹トレーニングを行うことで最後まで上半身を安定させて走れるようになります。
最初は30秒を数セット繰り返すことから始め、徐々に時間を伸ばしましょう。
60秒×3〜5セットを目指してください。
また、うつ伏せだけでなく、脇腹に効かせるためにも左右の横向きもトレーニングに取り入れましょう。
腹筋背筋
体幹トレーニングとともに大切なトレーニングが腹筋背筋です。腹筋背筋を鍛えることで過度な前傾後傾を予防できます。
ランニング動作ではやや前傾が望ましいとされていますが、過度な前傾姿勢はフォームの崩れにつながります。
また、後傾姿勢ではスピードは出ず、腰を痛める原因にもなるため注意が必要です。腹筋背筋それぞれ30回を3〜5セットこなせるようにしましょう。
腕立て
長距離走においても腕の筋トレは大切です。短距離選手のように腕を太くする必要はありませんが、レースの最後まで勢いを維持できるようにしておく必要はあります。
最初は膝をついた状態でもいいので20回を3セット程度こなせるようにしましょう。
そのほかにも500g程度の錘を左右の手に持ち、5分から10分間腕振りをするのも実践的なトレーニングになります。
懸垂
腕振りは前に押し出す動作よりも、後ろに引き継げる動きが大切になります。懸垂では身体を引きつける動きになるため、腕振りに必要な筋肉を効果的に鍛えることができます。
身体を振ったり勢いをつけることなく、10回程度できるようにしましょう。最初は苦しいと思いますが、徐々に回数を増やしてください。
ゆっくりあげるのがしんどい
臀筋
臀筋は地面に力を加えるときに使われる筋肉です。ランニング動作で最も大切とされている筋肉のひとつです。
臀筋を鍛えることで地面にしっかりと力を加えられるようになりスピードの向上が期待できます。また、後半に腰が落ちるのを防げるため失速の予防にもつながります。
しっかりと臀筋に負荷がかかっておることを感じながら30回3〜5セットを左右それぞれ繰り返しましょう。
足を上げる向きを前後させることで、様々な角度から負荷を加えることが可能です。
お尻の筋肉は一番大事!
ハムストリング
ハムストリングはスピードを出す際に使われる筋肉であり、臀筋とともにランニングにおける重要な役割を持つ筋肉のひとつです。
専用のマシーンがある場合はレッグカールで鍛えることができますが、トレーニングルームが近くにない場合は、ランジウォークが有効です。ランジウォークは臀筋と共にハムストリングの付け根(臀部側)を鍛えられます。
50mを2〜3セット行うことで大きな負荷をかけることが可能です。
内転筋
内転筋は臀筋とバランスを取るために重要です。臀筋だけを鍛えて内転筋を鍛えないと内側と外側のバランスが崩れてしまいます。臀筋を鍛えると同時に内転筋も鍛えましょう。
左右のつま先をできる限り外側に向けてスクワットをすることで内転筋に効かせることができます。慣れてきたらバーベルを担いでスクワットをしましょう。
20回3セットを目標に取り組みましょう。
肺活量向上トレーニング
筋力トレーニングだけをすればいいわけではありません。特に長距離ランナーの場合、筋力と同等に肺活量も重要です。
また、長距離ランナーは体重の増加も深刻な問題ですので筋力は高めつつ筋肉量は増やし過ぎず、脂肪は落とさなくてはなりせん。そのため、故障中であってもできる限り有酸素運動を取り入れましょう。
エアロバイク
エアロバイクを活用することで効率的に心肺機能を追い込めます。設定方法は様々ですが、できる限りランニングトレーニングに近づけるために、インターバル走を想定した設定が効果的です。
400m×10本 リカバリー200mを想定すると
60秒×10セット リカバリー60秒となります。
1000m×5本 リカバリー200mを想定すると
180秒×5セット リカバリー60秒となります。
重さについては実際のランニングトレーニング時の脈拍に近くなるように負荷を設定してください。
走るのよりキツいかも
水泳
水泳は心肺機能を鍛えるのに最も効果的なスポーツです。普段ランニングしかしていない方は、自由に空気を吸えるありがたみを感じることでしょう。
ゆっくりでもいいので、長く泳ぐごとを目標として心肺機能を追い込んでください。大切なことはランニングに活きるトレーニングをすることです。
トレーニング後のプロテインを忘れずに
普段のトレーニングであっても筋力トレーニングトレーニングであっても、トレーニング後の栄養補給は非常に重要です。トレーニングは筋組織を破壊する行為であるため、その後の回復の方が大切であるといっても過言ではありません。
効率的に回復させるためにはトレーニング後できる限り早めのプロテイン補給が有効です。
おすすめのプロテインについても解説しているので参考にしてみてください。
まとめ
早く走るためのトレーニングはランニングトレーニングが基本ですが、ランニングができないからといってできることが何もないわけではありません。
自分の工夫次第で競技力の向上は期待できます。筋力トレーニングにおいても肺活量トレーニングにおいても、自分の弱点を克服し、走力向上に繋げてください。
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