3000mの記録向上は800m,1500mなどの中距離種目や、5000m,10000mなどの長距離種目の記録向上に直結します。今回は3000mで自己ベストを狙うためのトレーニング方法と、目標タイムに合わせたトレーニング設定について解説します。
・8分台で走るためにはどうすればいいの?
・なかなか自己ベストが出ない
・目標を達成するためにはどんなタイムで練習すればいいの?
・9分切りに必要なトレーニング
・目標タイムに合わせたタイム設定
・自己ベスト更新に必要なトレーニング
20年以上の競技歴で培った知識を基に解説します。
どうすればいいんだろう?
3000m8分台とは?
3000m8分台とは、中学生なら全国レベル、高校生なら5000mで14分台を狙うために必要な走力です。3000mを8分台で走るためには1kmあたり3分を切る必要があり、かなりのハイペースであることが分かります。
陸上競技場を7周半走るこの競技は、5周目,6周目がポイントとなり、記録を大きく左右します。このポイントで、どれだけタイムを落とさずに走れるかが重要です。
体力が持たない…
インターバルトレーニングとは?
3000mで記録を出すためには、中盤から終盤のタイムロスを抑えることが重要ですが、そのために必要なのがインターバルトレーニングです。
インターバルトレーニングとは、設定した距離を複数本走るトレーニングであり、スピード要素とスタミナ要素のどちらも取り入れたトレーニング方法です。
短い距離を繰り返すショートインターバルと、長い距離を繰り返すロングインターバルがあり、どちらも並行して行うことで、より高いトレーニング効果を得られます。
ショートもロングもキツそう…
インターバルトレーニングを行う目的
トレーニングは目的意識を持って取り組むことで高いトレーニング効果が期待できます。なぜこのトレーニングをするのかを理解して、大切なポイントを意識することで効率よく走力向上が見込めます。
目的意識が大切!
スピード持久力強化
インターバルトレーニングはレースペースよりもハイペースで走り続けなくてはならないことから、筋持久力の強化ができます。
ハイペースで走り続けることで、そのペースに身体を慣らすことができ、レースペースになったときに余裕を持って走れるようになります。
心肺機能強化
インターバルトレーニングはハイペースとリカバリーを繰り返すため、心拍数が大きく乱高下します。そのため、心肺に大きな負担がかかり、心肺機能強化ができます。
心拍数の急激な上昇は苦しさを伴いますが、心肺機能を鍛えるためには必要なトレーニングなのです。
レースに対する不安をなくす
インターバルトレーニングはハイペースでのランニングを複数本繰り返すため、レース本番になったとき、「一本だけでいいのか」という余裕が生まれます。
仮に複数本走るレースがあったとしても、連続で走ることはないため、メンタル的な不安は払拭できるでしょう。
目標に合わせたタイム設定
インターバルトレーニングはあらかじめ距離とペースを設定しておく必要があります。目標とするタイムに合わせてタイムを設定しましょう。
最初はキツくでこなせなかったとしても、トレーニングを重ねることで少しずつ走れるようになります。
400m×10本 リカバリー200m jog
目標タイム(3000m) | 12’00” | 11’00” | 10’30” | 10’00” | 9’30” | 9’00” |
設定タイム(/400m) | 94″ | 86″ | 82″ | 78″ | 74″ | 70″ |
レースペースよりも速い設定でのインターバルです。後半になるにつれて息が上がりますが、苦しい状況でもフォームを崩さないように意識しましょう。
1000m×3本 リカバリー200m jog
目標タイム(3000m) | 12’00” | 11’00” | 10’30” | 10’00” | 9’30” | 9’00” |
設定タイム(/km) | 3’57” | 3’37” | 3’27” | 3’17” | 3’07” | 2’57” |
3000mを3分割するイメージで走ります。入りの1000m、中盤の1000m、終盤の1000mと意識を持ちましょう。
3本の合計タイムがおおよそのレース本番でのゴールタイムに匹敵します。
3000m×2〜3本 リカバリー600m jog
目標タイム(3000m) | 12’00” | 11’00” | 10’30” | 10’00” | 9’30” | 9’00” |
設定タイム(/3km) | 12’45” | 11’45” | 11’15” | 10’45” | 10’15” | 9’45” |
レースペースよりもペースを落としたインターバルです。3本走れることが望ましいですが、まずは2本走れるように頑張りましょう。
落ち着いてリズムよく走ることを意識します。
インターバルだけでは自己ベストは出ない
インターバルは自己ベスト更新に必要なトレーニングですが、それだけでは自己ベストを更新することはできません。ペース走やロングジョグ、レペティションなどバランスよく走力を鍛えることが重要です。
必要なトレーニング方法についても詳しく解説しているので参考にしてください。
・インターバルトレーニング
800mに必要なインターバル
1500mに必要なインターバル
3000mに必要なインターバル
5000mに必要なインターバル
・ペース走
800mに必要なペース走
1500mに必要なペース走
3000mに必要なペース走
5000mに必要なペース走
スパイクを見直そう
3000m走はトラック種目であることから、厚底シューズの使用は禁止されています。そのため、スパイクを使用することが一般的です。
3000mは中距離種目に該当するため、中距離用スパイクを選ぶ必要がありますが、各メーカーがそれぞれ特徴的なシューズを発売しているため、どれを選んでいいのか分からないこともあります。
おすすめのスパイクについても解説しているので参考にしてください。
・800mにおすすめのスパイク
・1500mにおすすめのスパイク
・3000mにおすすめのスパイク
・5000mにおすすめのスパイク
トレーニング後のリカバリーが大切
トレーニングは筋肉の破壊行為であるため、単に壊しただけでは走力は向上しません。トレーニングによって破壊された筋肉をリカバリーさせることにより、より強い筋肉へと生まれ変わります。
つまり、如何に効率よくリカバリーさせるかがトレーニング効果を左右するのです。効率のよいリカバリーにはトレーニング後なるべく早めのプロテイン補給が必要です。
ランナーにおすすめのプロテインについても解説しているので参考にしてください。
・長距離ランナーにおすすめのプロテイン
・中距離ランナーにおすすめのプロテイン
まとめ
3000mを8分台で走るためにはインターバルトレーニングが必須です。ショートインターバルでスピードを強化し、ロングインターバルでスタミナを強化しましょう。
また、スパイク選びやトレーニング後のリカバリーも忘れてはいけません。
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