3000mを8分台で走ることは、中学生なら全国レベル、高校なら5000m15分切りの登竜門とです。また、市民ランナーにとって3000mは、5000mやマラソンで自己ベストを出すために必要なスピード要素となります。
そこで今回は3000mで自己ベストを出すために必要なトレーニングについて解説します。
・3000mを8分台で走るためにはどんなトレーニングをすればいいの?
・自己ベストを出したいけれど、トレーニングの設定タイムが分からない?
・8分台で走るために必要なトレーニング
・目標タイムに合わせたトレーニングの設定タイム
20年以上の競技歴で培った知識を基に解説します。
どんな練習が必要なの?
3000m8分台とは?
全国中学生総体の参加標準タイムは8分57秒であり、ほぼ8分台です。3000mを8分台とは、1kmあたり3分で走ることを指し、学生トップランナーが集まる箱根駅伝の基本ペースです。
また、3分ペースは、フルマラソンに換算すると2時間6分のペースであり、ほぼ日本記録ペースです。つまり、1kmあたり3分のペースとは、学生からトップランナーまで含めた、各世代それぞれのトップレベルのペースなのです。
3分ペースはハイレベルなんだね!
ペース走とは?
ペース走とは、10km前後の距離を、あらかじめ設定したペースで走り続けるトレーニングです。取り組む種目が長くなるほどトレーニング距離は伸びます。
学生ランナーや実業団ランナーも週に2回程度取り入れているトレーニングであり、長距離ランナーにとって必要不可欠なトレーニングと言えます。
ただ、ペース走は長い距離を走るトレーニングではあるものの、全力を出し切るトレーニングではありません。どちらかというと、どれだけリズムよく走り、余裕を残せるかが大切になります。
ペース走はみんなが取り組むトレーニングなんだね!
ペース走を行う目的
多くのトップランナーも取り入れているトレーニングですから、そのトレーニング効果も確かなものがあります。
トレーニング効果を意識しているのと、そうでないのでは同じトレーニングをしたとしても効果に差が出るため、まずはトレーニング効果をしっかりと理解しておくことが重要です。
心肺機能強化
ペース走は長時間長距離のトレーニングですから、心肺機能には大きな負荷がかかります。その分、心肺機能強化が期待でき、レースにおいて苦しくなるタイミングを遅らせることや、苦しくなっても身体は動かせる状態になります。
箱根駅伝出場校や実業団チームは、標高が高く空気が薄い場所でペース走をすることもあり、本来のトレーニングに加えて心肺機能を追い込みます。
心肺機能は長距離ランナーにとって最も重要な要素の一つであるため、ペース走により鍛えておく必要があります。
距離に対する不安をなくす
長距離種目はレース距離が長いことから、距離に対する不安を抱えたままレースに臨んでしまうと精神的ブレーキがかかり、本来のパフォーマンスを発揮できません。
距離に対する不安から来る、精神的ブレーキを払拭するためには、普段のトレーニングでレース距離以上に走り込んでおく必要があります。
日本トップレベルのランナーは1ヶ月の走行距離が1,000kmを超えることもあり、1日の平均で30kmを超えるほど走り込んでいるのです。
そんなに走るんだ…
目標に合わせたタイム設定
ペース走は心肺機能強化や精神的不安を取り除く効果がありますが、全力を出し切るトレーニングではありません。終わった後に「あと数キロなら走れる」程度の余力があることが望ましいです。
また、最初から目標タイムに対する設定で走ることは困難であるため、最初は軽い負荷から始め、トレーニングを重ねるごとに徐々に設定も上げていきましょう。
8km〜10kmのペース走
目標タイム(3000m) | 12’00” | 11’00” | 10’30” | 10’00” | 9’30” | 9’00” |
設定タイム(/km) | 4’30” | 4’10” | 4’00” | 3’50” | 3’40” | 3’30” |
設定距離は短く、その分ペースが速いトレーニングです。ペースが速い分、心肺には大きな負担がかかり、トレーニングを積んでいないと最後まで走り切ることはできません。
12km〜16kmのペース走
目標タイム | 12’00” | 11’00” | 10’30” | 10’00” | 9’30” | 9’00” |
設定タイム(/km) | 4’50” | 4’30” | 4’20” | 4’10” | 4’00” | 3’50” |
設定距離は長く、その分ペースが遅いトレーニングです。ペースが遅い分、距離が長くなるため精神力も求められます。一定のリズムで走ることを意識しましょう。
ペース走だけでは自己ベストは出ない
ペース走は自己ベスト更新に必要なトレーニングですが、それだけでは自己ベストを更新することはできません。インターバルやロングジョグ、レペティションなどバランスよく走力を鍛えることが重要です。
必要なトレーニング方法についても詳しく解説しているので参考にしてください。
・インターバルトレーニング
800mに必要なインターバル
1500mに必要なインターバル
3000mに必要なインターバル
5000mに必要なインターバル
・ペース走
800mに必要なペース走
1500mに必要なペース走
3000mに必要なペース走
5000mに必要なペース走
スパイクを見直そう
3000m走はトラック種目であることから、厚底シューズは禁止されており、基本的にはスパイクを使用してレースに臨みます。
3000mは中距離に位置することから、中距離用のスパイクを使用しますが、体が小さく筋力も弱い中学生は、長距離用スパイクや、薄底のマラソンシューズを使用する場合もあります。
おすすめのスパイクについても解説しているので参考にしてください。
・800mにおすすめのスパイク
・1500mにおすすめのスパイク
・3000mにおすすめのスパイク
・5000mにおすすめのスパイク
トレーニング後のリカバリーが大切
トレーニングは筋肉の破壊行為であるため、単に壊しただけでは走力は向上しません。トレーニングによって破壊された筋肉をリカバリーさせることにより、より強い筋肉へと生まれ変わります。
つまり、如何に効率よくリカバリーさせるかがトレーニング効果を左右するのです。効率のよいリカバリーにはトレーニング後なるべく早めのプロテイン補給が必要です。
ランナーにおすすめのプロテインについても解説しているので参考にしてください。
・長距離ランナーにおすすめのプロテイン
・中距離ランナーにおすすめのプロテイン
まとめ
3000mは中学生にとっては長距離、学生や市民ランナーにとっては中距離種目に該当します。中距離種目の走力強化は長距離種目の自己ベスト更新につながります。そのため、トラックシーズンにどれだけ記録を伸ばせるかが、秋冬のロードシーズンにつながるのです。
トラック競技にも積極的にチャレンジして、陸上競技を楽しみましょう!
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