ランニングで長い距離を走ったり、ゴールタイムを短縮するためには、正しいフォームで走る必要があります。
逆に、正しいフォームで走れていないとゴールタイムが短縮できないだけでなく、ふくらはぎが張ったり、膝や腰を痛めてしまう可能性もあります。
そこで今回はランニング歴20年以上の経験から学んだ、正しい走り方について解説します。
・走るとすぐに疲れる
・走ってもスピードが出ない
・自己ベストが更新できない
・疲れない走り方
・楽にスピードを出す方法
・正しいランニングフォーム
20年以上の競技歴で培った知識を基に解説します。
どんなフォームが正しいいの?
ふくらはぎが張るのは間違った走り方をしている証拠
筋肉が張るということは、無理をして使用しているということです。
ランニングは正しいフォームで行えている場合、臀部を中心に使用することになり、身体の末端にいくにつれて重要度は低下していきます。
前に速く進むためには地面に対して大きな力を加える必要がありますが、大きな力を出すためには大きな筋肉が必要です。つまり、臀部やハムストリングなど大きい筋肉を使って走らなければなりません。
ふくらはぎの筋肉は臀部やハムストリングと比較して小さく、筋力も弱いため、スピードを出すための筋肉とは言えないのです。
臀部を使えば、ふくらはぎは張らない!
ふくらはぎが張る原因
ふくらはぎが張るということは、無意識のうちにふくらはぎの筋肉を使って走っていることを意味します。
上記のとおり、ランニングでスピードを出すためには大きな筋肉を使うべきですから、ふくらはぎに頼るのは効率的ではありません。しかし、何らかの原因でふくらはぎを使わざるを得ない状況のため、張りが生じているものと思われます。
ここでは、ふくらはぎが張ってしまう人の走り方の代表的な特徴を紹介します。
なんでふくらはぎが張っちゃうのかな?
地面を後ろに蹴って走っている
ランニングは地面に対して力を加え、その反発で自身の身体を前に進める動作の連続です。
一定のスピードが出るまでは力のベクトルは斜め後方に向かいますが、スピードが出た後は力のベクトルは真下に向かいます。
これは短距離でも長距離でも本質的には変わりません。
ふくらはぎに張りが生じてしまう人は、前に進もうと後ろに蹴っている可能性があります。さらに、後ろに蹴る際に足首をスナップさせて地面を引っ掻くような動作が見られる人もいます。
前に進む動作として地面に力を加えていることには変わりありませんが、過度な負担がかかる上に臀部やハムストリングの出力に比べるとごく微小であるためマイナス効果であると言えます。
つま先だけで走ろうと意識しすぎている
テレビなどでトップランナーの走り方を見ていると、ほとんどの選手がつま先で設置していることが分かります。
つま先設置で走ることをフォアフット走行と呼びますが、ランニング初心者が無理矢理つま先で走ろうとするとふくらはぎにダメージが来ることがあります。ランニング初心者の場合、余計な力が入っていることが多いため、その状態でつま先設置をするとふくらはぎを痛める原因になるのです。
また、トップ選手がつま先設置で走っているのは事実ですが、つま先で走ろうと意識しているのではなく、膝から下の余計な力が抜けている結果つま先設置になっているのです。つまり、意識的に行なっていないため、ふくらはぎを使うことはなく、張りを感じることもありません。
正しい走り方とは?
ランニングでふくらはぎをはじめ、足を痛めないためには正しい走り方をする必要があります。
人によって身長や体重、骨格はバラバラであるため、一概に正しい走り方というのはありませんが、ランニングフォームの基本は存在します。まずは基本の形を抑え、その上で自分の走りやすい走り方を模索してください。
どうすれば綺麗に走れるの?
臀部の筋肉を使って走る
ランニングは地面に力を加え、その反発で前に進むことを繰り返す運動です。そのため、地面に加える力が大きければ大きいほど前に進むことになります。そして、大きい力を出すためには大きな筋肉を使う必要があります。
人間の身体で地面に大きい力を加えられる大きな筋肉は臀部の筋肉です。つまり、ランニングは臀部の筋肉を如何に支えるかがポイントになります。
参考までに競走馬をイメージしてみてください。大きく発達しているのは臀部の筋肉で、膝から下にはほとんど筋肉がついていないことが分かります。
足首の角度は変わらない
ふくらはぎが張るということは、足が地面から離れる瞬間に足首を返していることを意味します。ふくらはぎは踵を浮かせるときに使用される筋肉であるため、足が地面から離れる瞬間に足首を返している人は、一歩ごとに自分の体重をふくらはぎの筋肉で持ち上げているということになります。
ただでさえ小さな筋肉であるふくらはぎに何百、何千回と体重を持ち上げさせているわけですから張ってしまうのも納得です。足首の返しを防ぐためには、足首の角度を変えないことを意識しましょう。
足首の角度が最初から最後まで変わらなければ、足首が動かないのでふくらはぎが張ることはありません。実際、トップランナーのフォームを見てみると足首の角度は常に固定されていることが分かります。
正しいフォームを身につける方法
ランニングでは足を痛めないためにも正しいフォームで走ることが重要です。ここでは正しいフォームを身につけるための方法をいくつか紹介しますので参考にしてください。
何を参考にすればいいんだろう?
YouTubeやテレビでフォームを見る
まず何より大切なことは正しいフォームのイメージを持つことです。YouTubeやテレビで手軽にトップ選手のランニングフォームを見れるため、参考にするのが最も手軽にできる方法です。
イメージを持ったら自身のフォームを撮影してもらい違いを比べてみてください。撮影してくれる人が近くにいない場合は、ガラス張りの店などを見つけ、その前を走ることで客観的に見ることができます。
ドリルで動きを覚える(動きづくり動作)
ランニングは動きを習得するために様々な種類のドリル(動きづくり動作)があり、トップ選手もウォーミングアップなどに取り入れています。
一つ一つの動きによって目的は様々で、それぞれ意識するポイントが異なります。最初から多くの種類を実践するのは困難ですので、まず最初は2,3種類の動きから初めてみてください。
ロングジョグで意識する
スピード練習やインターバルトレーニングなどハードなトレーニングでは足の設置など繊細な箇所まで意識することは困難です。
そのため、ロングジョグを活用してランニングフォームを意識しましょう。ロングジョグはランニング時間も長いため、常に意識して走ることで、自然とスピードを上げたときにも対応できるようになります。
まとめ
ランニングでふくらはぎが張る場合、ランニングフォームに問題がある可能性があります。間違ったフォームで走っているとふくらはぎの痛みだけでなく、ランニング障害の原因になるため改善が必要です。ランニングを楽しむためにも正しいフォームで快適に走りましょう。
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