トラック種目5000mにおける大きな目標のひとつが14分台です。高校生では県内トップレベルの証であり、大学生では基本的な能力、市民ランナーでは全国トップレベルの能力となります。
「なんとしても14分台で走りたい」
「なかなか自己ベストが出せない」
この記事を読むことで14分台で走るために必要なトレーニングが分かり、自己ベスト更新も期待できます。
私は、大学まで箱根駅伝常連校で競技を続け、現在でもクラブチームやプレイングコーチとして活動しています。20年以上の経験で培った知識を基に解説しますので、ぜひ参考にしてください。
レベル高そう…
5000m 14分台とは?
5000mを14分台で走るためには1kmあたり3’00”以内で走る必要があります。トラック1周400mに換算すると72”ペースであり、トレーニングを重ねていないと絶対に走り続けられないペースです。
14分台で走る高校生は1都道府県あたり5〜10人程度であるため、ハードルの高さが伺えます。大学生を中心に市民ランナーも参加している日体大記録会では、2022年度第302回大会において、全5組144人中100人が達成しております。
近年ロードレースで多くのランナーが使用している厚底シューズは、トラックでの使用が禁止されているものの、スパイクの進化によって達成率は増加傾向にあります。
14分台はすごいんだね!
15分切りに向けたトレーニング
5000m14分台はトレーニングを重ねれば絶対に達成できます。ただ、走力が大きく足りていないのに、最初から目指すのは困難です。
14分台を目指すトレーニングを始めるためには、最低限3000mを8分台で走れる走力をつけておきましょう。3000m9分切りのためのトレーニングについても解説しているので参考にしてください。
ここでは、3000mが8分台で走れる前提で、5000m14分台を目指すためのトレーニングを紹介していきます。
ロングジョグ
トレーニングの目安
時間で管理するなら70分〜90分
距離で管理するなら15km〜20km
5’00”/km前後
ロングジョグは長距離種目記録向上の基本トレーニングです。5’00”/kmを基本ペースとして、体調に合わせて前後させましょう。早朝の身体が動きづらい時間に走ることでダイエット効果を高め、ウエイトコントロールも可能です。
ゆっくりと走るトレーニングはLSDと呼ばれ、毛細血管の生成を促し、酸素運搬を活性化させるため、後半になっても失速しない身体作りができます。
心肺的には苦しくないことから、トレーニング効果を実感しづらいトレーニングですが、基礎練習はどのようなスポーツにも重要であるため、気を抜かずに取り組みましょう。
ロングジョグの方法や大切さについて詳しく解説しているので参考にしてください。
なんでも基本が大切!
ショートインターバル
トレーニングの目安
400m×10 68”〜70” リカバリー200mジョグ
5000mを14分台で走るためには400mあたり72”、100mあたり18”で走り続ける必要があります。このペースはかなりのハイペースであるため、ショートインターバルでスピードトレーニングをしておく必要があります。
ショートインターバルはスピード練習ではあるものの、全速力を出し切るトレーニングではありません。400m×10本が終わった後に、「もう1セットいけるかも」と思える程度の余力が必要です。
余裕を持って終わろう!
ロングインターバル
トレーニングの目安
1000m×5 2’55” リカバリー200mジョグ
2000m×3 5’55” リカバリー400mジョグ
5000mを14分台で走るためには400mを70”程度で走るスピードが必要ですが、そのスピードを維持する能力も必要です。
スピードを維持するためには、ロングインターバルで鍛える必要があります。筋持久力を鍛えられるロングインターバルを積極的に取り入れましょう。
特に2000mのロングインターバルは心肺的にも精神的にも苦しいトレーニングですが、目標達成のために頑張りましょう。
1本、1本キツい…
ペース走
トレーニングの目安
3’20”/km 10km
3’30”/km 16km
ペース走を行うことでレース後半の失速を防ぐことができます。インターバルでは一本のトレーニング距離が長くても2000m程度であるため、長時間心拍数を高く保ち続けるトレーニングはできません。
ペース走では10km以上の距離を一度に走らなくてはならないため、レースよりも長い距離をトレーニングできます。普段からレースよりも長い距離を、ある程度のペースで走っておくことで、いざレースになったときも距離の不安なく走ることが可能です。
ペース走もショートインターバルと同様に、トレーニングで全力にならないように、「あと数キロいける」状態で終わるのが理想です。
距離に対する不安をなくそう!
筋力トレーニング
ランニングトレーニングでは心肺機能や筋持久力は鍛えられますが、基本的な筋力は鍛えることができません。レース後半の苦しいときでも、フォームを維持するためには体幹をはじめとした身体全体の筋力が必要です。
体幹トレーニングだけでなく、筋力トレーニングは強豪校や実業団ランナーも必ず行っています。陸上競技長距離種目を専門にしていると、トレーニングがランニングに偏りがちですが、筋トレも積極的に取り入れましょう。特に臀部の筋肉は走るためには重要になります。
ランナーに必要な筋トレについても詳しく解説しているので参考にしてください。
トレーニング後のリカバリーが大切
5000mで14分台を目指すためには、相当なトレーニングが必要であり、その分ダメージも大きくなります。競技力を向上させるためにはトレーニングにより身体を鍛える必要がありますが、ラントレもや筋トレをしただけでは、筋肉を破壊しただけで強くすることはできません。
大切なことはトレーニング後のリカバリーです。破壊された筋肉を修復しようとリカバリーすることで、破壊される前よりも強い筋肉が作られます。(このメカニズムを超回復と呼びます)
目標が高くなればなるほど、トレーニング負荷も強くなるため、その分リカバリーも大切になります。効率の良いリカバリーを促すためにも、トレーニング後はなるべく早くプロテインを補給しましょう。
ランナーにおすすめのプロテインも紹介しているので参考にしてください。
5000mを走るために必要なシューズ
5000mを全力で走り抜くためにはランニングシューズ選びも重要です。残念ながらトラックでは厚底シューズが使用できないため、基本的にはスパイクで走ることになります。
スパイクが苦手な方は薄底のマラソンシューズがおすすめです。
おすすめのスパイクについても詳しく紹介しているので参考にしてください。
まとめ
5000m14分台は高校生や市民ランナーにとって大きな目標です。5000mの競技力向上は1500mや10000m、フルマラソンまで全ての長距離種目の自己ベスト更新に影響を及ぼします。
5000mを14分台で走りエリートランナーに仲間入りしましょう。
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