家族や親族が亡くなったとき、遺産を相続することがあります。もしもそのとき、株や債券などの有価証券が見つかった場合、どのように相続すればいいのでしょうか?
今回はNISAの相続について、有利になるのかどうかを含めて、流れを解説します。遺産を後世に残したいと考えている方や、有価証券の遺産が見つかった方は参考にしてください。
・NISAは相続でどうなる?
・有価証券の相続方法は?
・NISAは相続に有利?
・NISAを相続するとどうなるのか
・有価証券を相続する際の注意点
・NISAは相続に有利か
生活に役立つお金の知識と、趣味のランニングについて解説しています。
初心者でも理解しやすいよう、専門用語はなるべく使わず、簡単に解説します。
NISAは相続に効果あるの?
相続財産には相続税がかかる
遺産を相続した場合、相続財産には税金がかかります。これは相続税と呼ばれる税金であり、遺産の価格に応じて支払う義務があります。
しかし、相続財産全てに相続税がかかるわけではありません。控除額が設けられており、その額を超えた場合のみ納税する義務があります。
相続税の控除額
・配偶者は1億6,000万円まで非課税
・基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)
相続税計算の流れ
1:預貯金や有価証券など相続財産の価値を合算
2:相続財産から借金などの負債を引く
3:配偶者控除もしくは基礎控除を引く
4:課税対象に税率をかけて計算
法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 10% | – |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
なんだかややこしいね
被相続人が有価証券を持っていることがある
相続するものは預貯金や不動産だけではありません。場合によっては株や債券などの有価証券も相続する可能性があります。株などは常に価格が変動するため、預貯金とは若干取り扱いが異なるため注意が必要です。
また、どこの証券口座にどれだけ入っているかは、各証券会社に個別に問い合わせなくてはなりません。複数の証券口座に資産を分けて保管してある場合も考えられるため、複数の証券会社をピックアップして調べましょう。
有価証券はどうやって相続するの?
NISAは課税対象になる
NISAは投資で得た利益が非課税になる制度です。しかし、非課税になるのは投資をしていた本人であって相続人ではありません。相続によって得たNISA口座内の有価証券も課税対象とみなされます。
つまり、NISAは相続対策としては使えません。強いて言うならNISAは1人1口座だけのため、金融機関を絞れるというメリットは考えられますが、税制上のメリットはないと言えます。
NISAにも相続税がかかるのか!
NISAを保有したまま亡くなったら?
NISA口座で有価証券を保有したまま亡くなったとき、有価証券はどのように相続されるのでしょうか?
NISA口座であろうと、特定口座であろうと、有価証券の相続の流れに違いはありません。証券口座内の遺産が見つかったときは、以下のことを注意して相続しましょう。
どうすればいいんだろう?
被相続人名義では売却できない
被相続人名義の有価証券は、たとえ相続人であっても勝手に売却はできません。これはNISA口座でも特定口座でも同じです。
そのため、被相続人の口座から相続人の口座に移管する必要があります。移管することで有価証券の名義が変更され、いつでも売却できるようになるのです。このとき、被相続人のNISA口座から相続人のNISA口座には移管できません。また、同じ金融機関でないと移管できないため、あらかじめ口座を開設しておく必要があります。
移管時の時価で計算する
有価証券は常に価格が変動するため、変動のタイミング次第で相続税の額も変わってきます。課税対象となる有価証券の価格は、移管時の時価で計算することが一般的です。
配当などがある場合や、月の平均価格で計算する場合、非常上株式の場合など、いくつかのパターンはありますが、基本的には移管時の時価が基準となります。
まとめ
NISAは投資で得た利益が非課税になる制度ですが、残念ながら相続に有利とは言えません。ただ、有価証券として資産を残すことは、後世にも大きなメリットがあるため、預貯金だけでなく、有価証券としての資産も検討してみてはいかがでしょうか?
コメント