マラソンなど長時間のランニングの後、腹痛を伴い下痢を引き起こすことがあります。これはランナー下痢と呼ばれ、ランナーにとっては深刻な問題のひとつです。下痢を引き起こすため水分が排泄されてしまい、脱水症状にもつながってしまいます。そこで今回は実体験を元にランナー下痢の対処方法について解説します。
・走るとお腹が痛くなる
・マラソンを走った後、お腹を下す
ランナー下痢の原因は?
・ランナー下痢の原因
・ランナー下痢の予防方法
20年以上の競技歴で培った知識を基に解説します。
なんでお腹が痛くなるの?
マラソンの大敵ランナー下痢とは?
ランナー下痢とは、マラソンなどの長距離のランニング中や直後に起きる下痢症状です。ランニングが症状のきっかけになることから、ランナー下痢と呼ばれています。
私の場合、学生時代はランナー下痢の経験は数ヶ月に一度程度でしたが、社会人になってからは15キロを超える距離走では度々経験するようになりました。
自分なりに調べてみた結果、ランナー下痢に対する学術的な研究は進んでいないとのこと…
そのため、自分の身体を実験台にランナー下痢の対策を模索しました。ランナー下痢に悩む方に少しでも活かせてもらえたらと思います。
腹痛は辛い…
ランナー下痢の原因は?
ランナー下痢を経験することでいくつかの傾向があることがわかりました。その傾向を繰り返し確かめ、さまざまな角度から実験を繰り返しました。(現在でも実験中)
上下運動が原因
インターバルトレーニングのようにスピードを出したとしてもトレーニング時間が短い練習ではほとんどランナー下痢は起きませんでした。また、ジョギング程度のトレーニングであっても20キロジョグや90分ジョグなど長時間のトレーニングではランナー下痢を起こすことがありました。
最もランナー下痢を引き起こした練習はペース走です。3分20秒/km〜3分30秒/kmで15km程度のトレーニングでは頻繁にランナー下痢を引き起こしていました。
このことから、ランニングによる高い心拍数を伴う長時間の上下運動が原因の一つと考えました。
ランニング前の食事が原因
長距離走のトレーニングの場合、事前にエネルギーを摂取しておかないと途中でエネルギー不足に陥ってしまいます。そのため、早朝の距離走であってもエネルギーゼリーやおにぎり程度の食事はとるようにしていました。
ランナー下痢を経験しトレーニング前の食事を見直すと、食事内容によっても症状に差があることに気がつきました。
食べても大丈夫だったものと、そうでなかったものにも傾向がありました。具体的な食事内容については次の章に記します。
脱水が原因
ペース、距離が全く同じトレーニングであっても、冬場よりも夏場の方がランナー下痢を引き起こすことが多くありました。このことから、発汗による脱水が原因のひとつとして考えられます。
しかし、脱水が原因と考え、こまめに給水をしたとしてもランナー下痢になることもあったため、脱水が直接的な原因ではなく、複合的要因の一つのように感じます。
腹部マッサージのし過ぎが原因
腹部の痙攣(いわゆる差し込み)の対策として腹部のマッサージを入念に行なっていました。
私の場合は右肋骨の裏側あたりが頻繁に痙攣するため、トレーニング開始前には特に入念にほぐしていました。トレーニング後も痙攣が残っている時はマッサージをしてほぐすようにしていましたが、マッサージをし過ぎるとランニングをしていなくてもランナー下痢と似た症状を引き起こすことがありました。
このことから、過度の腹部マッサージはランナー下痢の原因になると考えられます。
マッサージによって腸の活動が促されたと考えられます。よくよく考えてみれば、便秘に悩む人の改善策として腹部マッサージがあることから、差し込み予防のつもりが腸活になっていたと思われます。
ランナー下痢の予防方法
これまでの経験から以下のことを意識すると改善傾向が見られました。
身体は一人一人違うことから、まずは以下のことを試し、自身の身体と相談しながら改善方法を探ってみてください。
事前にトイレに行っておく
トレーニング前には必ずトイレに行っておきましょう。仮に腹痛が起きたとしても、出るものがなければ出ません。
また、トレイルランや河川敷などを走る場合、トレーニング中にトイレがない可能性もあります。トレーニング中にランナー下痢を引き起こすと大変ですので事前に済ませておくべきです。
トレーニング前に食物繊維の多い食べ物を食べない
ランニング中のエネルギー不足を回避するためにトレーニング前に食事をとっていましたが、私の場合、トレーニング内容よりもトレーニング前の食事内容がランナー下痢を引き起こす最も大きな原因だと考えられます。
最もランナー下痢を引き起こした食べ物が食物繊維たっぷりの「グラノーラ」です。そのほかには「バランスパワー」も挙げられます。どちらもパッケージから食物繊維の多さを強調している食品です。
このことから、食物繊維を多く含んだ食品はランナー下痢を引き起こす大きな要因であることが分かります。そのため、最近では焼いた餅を1,2個食べるようにしています。食事を餅に変えてから、以前ほど発症しなくなりました。
適度に水分を摂る
食事ほどではありませんが、脱水もランナー下痢を引き起こす原因の一つと言えます。そのため、トレーニング中は適度に水分を摂取しましょう。
しかし、水分の摂り過ぎは逆効果となるため注意が必要です。脱水はパフォーマンス低下にも直結するため、トレーニングの質を上げるためにも必要です。
まとめ
自分自身の経験と、自身の身体を使った実験に基づきランナー下痢の原因と対策を紹介しました。ただ、人の身体は人それぞれ異なるため、同じ対策が有効であるとは言い切れません。
さらに、ランナー下痢の原因は複合的なものであると考えられるため、何か一つを改善すればいいということでもありません。質の高いトレーニングをして、ランニングを楽しむためにも自分の身体と向き合うことが大切です。
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