ランニングをしているとアキレス腱を痛めることがあります。急激に力が加わる短距離選手に多い怪我ですが、長距離ランナーにもよく見られる怪我のひとつです。
アキレス腱の怪我は選手生命にも関わるため、絶対に軽視してはいけません。そこで今回は、ランニングでのアキレス腱の痛みに対する原因と対処法について解説します。
・走るとアキレス腱が痛い
・ランニング障害を予防したい
・アキレス腱に違和感がある
・アキレス腱が痛むときの対処方
・アキレス腱が痛む原因
・ランニング障害の予防方法
20年以上の競技歴で培った知識を基に解説します。
アキレス腱の痛みは危険!
ランニングでアキレス腱が痛くなることがある
ランニングによるアキレス腱の痛みは初心者だけに限った話ではありません。トップランナーであってもアキレス腱の痛みによる故障者リスト入りは多々あります。
ただ、単にアキレス腱の痛みといっても、痛みの発生理由は大きく分けて2つ考えられます。
- アキレス腱自体の損傷
- 周囲の筋肉の緊張が原因の場合
ランニングによるアキレス腱の痛みは大抵このどちらか、もしくは両方が理由です。
アキレス腱自体の損傷の場合
身体が十分に温まっていない状態や、冬場など外気温が低い状態の中走ると、アキレス腱を痛める可能性があります。
アキレス腱はふくらはぎと踵をつなぐゴムのような役割をしているため、急激に伸ばしたり縮めたりすると損傷してしまいます。
急激な運動ではアキレス腱断裂が起きる場合があり、ブチッと音を立てて断裂し、動くことすらも困難になります。ランニング障害による損傷では、アキレス腱が炎症を起こし熱を持って腫れ上がることがあります。
周囲の筋肉の緊張が原因の場合
アキレス腱自体には損傷がないものの、アキレス腱につながる周囲の筋肉が緊張し硬直することでアキレス腱に痛みが生じることがあります。
アキレス腱上部にはふくらはぎの筋肉が、下部には踵を通じて足裏の筋肉がつながっています。そのため、ふくらはぎや足裏の張りはアキレス腱にも影響を及ぼすのです。
筋肉が張っている状態では、アキレス腱も伸ばされている状態になり、その状態で運動することにより本来の可動域を超えて可動しなくてはなりません。
過度な運動は痛みを伴うので、筋肉の張りがアキレス腱の痛みとなって現れることもあります。
アキレス腱が痛む原因とは?
アキレス腱自体の損傷や周囲の筋肉の張りによりアキレス腱に痛みが生じることがありますが、そもそもの原因は以下のとおりです。
アキレス腱は運動において最も大切なパーツのひとつですので、慎重に動かさなくてはなりません。
ストレッチ不足
アキレス腱はゴムのような働きをしていますが、急激な稼働は怪我の原因になります。そのため、運動前にはしっかりとストレッチを行いましょう。
壁に手を当てて押す動作でアキレス腱を伸ばすこともできますし。両手を地面に着け、膝を伸ばした状態で腰を持ち上げることでも伸ばすことが可能です。
過度なトレーニング
ランニング時、アキレス腱は一歩ごとに稼働するため、長距離のトレーニングでは何万回と稼働することになります。
ランニング動作は片足立ちの連続動作であるため、体重を支えるためにふくらはぎやアキレス腱にも大きな負担がかかります。特にふくらはぎの張りはアキレス腱痛の原因にもなることから注意が必要です。
ふくらはぎが張りやすいランナーに向けた記事も執筆しておりますので参考にしてみてください。
痛みが出たときの対処法
アキレス腱の痛みはランナーにとって非常に危険です。
断裂してしまうと手術が必要になる上に、相当な期間運動することはおろか、歩くこともままなりません。そのため、違和感を感じたら無理をしないことが大切です。
安静にする
アキレス腱に痛みを感じた際、最もやってはいけないことは動かすことです。足首の稼働によってアキレス腱も稼働するため、一歩でも動けばアキレス腱も稼働してしまいます。
症状が悪い場合、少しの可動であっても大きく状態を悪化させることがあり、その分回復までの時間も要してしまいます。
そのため、違和感を感じた場合は直ちにトレーニングを中断し、その場から動かないことが先決です。
周囲の筋肉を温めてほぐす
アキレス腱に痛みが生じた場合、周囲の筋肉が影響している可能性もあることから、ふくらはぎや足裏の筋肉をほぐすことも症状改善につながります。
筋肉はそれぞれつながっているため、アキレス腱付近の筋肉のみほぐすのではなく、前脛骨筋や後脛骨筋、腓腹筋、足底など満遍なくほぐすように心がけましょう。
テーピングで固定する
足首の稼働によってアキレス腱も稼働するため、少しでも早く治すためにはテーピングを用いて足首を固定することも一つの方法です。
ホワイトテープによって足首の稼働を制限する方法もあれば、キネシオテープでアキレス腱を保護する方法もあります。
症状に合わせて処置方法を選択してください。
まとめ
ランナーにとってアキレス腱は命とも言えます。
アキレス腱を痛めてしまうと満足にトレーニングできなくなり、最悪の場合後遺症として残ってしまう可能性もあります。
アキレス腱を痛めないためには準備運動を確実に行うだけでなく、日々のケアも大切にしなくてはなりません。
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